エゴイスト | ひより軒・恋愛茶漬け

エゴイスト

何が欲しいのかもわからずに

君を欲しがっていた。


ただ

そばにいて欲しい、と。


悲しい顔をさせているのは

間違いなく僕なのに

ずっと笑顔で話しかけていた。


少しずつ

後ずさる君を

追い詰めるみたいに。


叩かれるのと同じように腫れて

跡になる言葉。


そんな皮肉な言葉でも

良かった。


音楽を流してと言う

君を無視して

静かな部屋に


ただむき出しの

かすれた声が

重なっている。





気がつくと

誰かを喜ばせることに

夢中になってしまいます。