高2 | ひより軒・恋愛茶漬け

高2

授業中の廊下は

長くて冷たい。


まだ

それほど

季節は寒くないのに


静かさが

むき出しの膝裏にしみる。


教室を

追い出されるほどの反抗は


従順というカテゴリーで

皆と一緒に

くくられたくないからだ。


それでも


あなたのいない

どこに 行く気にもなれない。


教室の壁に耳をあてすませば

机の間を回り

後ろの引き戸に寄りかかって


あなたが独特のリズムで

リーダーを読む声が聞こえてくる。


腰をおろし

廊下側から

その戸に寄りかかった。


膝をかかえ

見上げる空の

つきぬける青さに


全ては

阻害ではなくて

開放なのだと悟る。


扉一枚をへだて届く

静かな抑揚の

あなたの教え。


わたしを区別する

大切な人生の一瞬は

あそこではなくて

ここに ある。





なぜか昔から

誤解されることが多く

「第一印象はめちゃくちゃ悪い」と

友人に仲良くなった後でよく言われました。


誤解されることは、慣れれば快感です。

簡単に理解されることよりも

屈辱的じゃないです。


強がりでは、ない、はずです。たぶん。