オトコに与える報酬、は。 | ひより軒・恋愛茶漬け

オトコに与える報酬、は。

要らないのは 言葉だと

わたしは 言った。


ただしらける

嘘も本当も 要らない。


すっと

立ち上がったオトコが

広い背中を少し猫背にして

小さな機械を操作している。


静寂。

その くすみ。


突然 響きわたる

ヘヴィメタル。


そんなに

睨まなくたって

ベッドの中のわたしに

少しも 文句なんかない。


うまく機嫌をそこねる。


オトコがいらだち

その整った顔を

醜くゆがめるのを

見るのが好きだ。


自信だとか

お金だとか

欲しいもののために


本当に欲しいかどうか

わからないもののために


オトコは

ぐずぐずと

自分の中の何かと

戦っているふりをする。


あきらめて

手放して

つかむ。


高く低く

上昇し落下する

旋律に沿って


重なる叫び声の

消えるほどの音量の


聞くことにも

見ることにも

いっぱいになって


注がれる。


足首に残された痣

そんな

小さな痕跡しか残せない

オトコの葛藤に


見合うだけの

報酬をはかれば

結局それが

評価だった、なんて


ああ

つまらない、と思いながら。




しばらく更新できませんでした。


それでも

ここに来てくださった方々

ありがとうございます。


今月19日より写真展に参加します。

案内はブログTOPに告知しました。

よろしければ、ご来場ください。


お待ちしています。  ひより。