うなじの手触り | ひより軒・恋愛茶漬け

うなじの手触り

正直に言うと


短く刈り上げられた

オトコのうなじに

触れるのが怖かった。


ひげの濃いオトコの

剃り跡の

初めて

肌に触れたとき


噛まれるのとも

打たれるのとも

違う痛みに

声をあげたのを思い出したのだ。


オトコは

わたしの戸惑いを

楽しそうに見ている。


シーツの上から

大事なもののように

わたしの背中を掬い


器用に

片手ずつで

わたしの腕をその首に

からませた。


太い首の

毛の短い うなじに

手のひらを

重ねるようにして触れると


思いがけず

おとなしい動物のような

優しい感触だった。


気に入った。

何度も撫でた。


記憶を震わすような

懐かしさがこみ上げ


やがて

オトコが

動きだすまで


母性に似た気持ちで

その愛撫を

わたしは

飽きずに くりかえした。





最近もまた

小説を書いています。

書き続けています。


これは

そんな中の一場面。


ブログは時々

小説のネタ帳に使っています。


来月(7/19~/25)には西荻窪で

小さな写真のグループ展に参加します。

作品は1点です。


また詳しく告知しますので

ブログ読者の方もお会いできたら嬉しいです。


会場にいるときもあると思うので

メッセージなどなどいただければ、と思います。