唇の痛み | ひより軒・恋愛茶漬け

唇の痛み


ひより軒・恋愛茶漬け-森ガール

晴れの日を選ぶ。

風のある。


ありきたりな

再会の言葉はない。


いつだって変わらない

微笑みの

その目を

のぞくだけで通じている。


車の激しく過ぎる

大通りを

わざとふざけて

横切るのは


ただ

あなたが いきなり強く

わたしの手を

握りたいからだ。


その腕に

しがみついて

離さない。


人目につかない

物陰に着くまで

他愛もない冗談で

笑いあう。


たいていは

ビルの裏口で

時々は

公園の木立の奥で


まず

唇ではなく

舌先で触れ合うのが

ルールだった。


受容の意思が確認され

あとは


ことばじゃない声と

悲しくはないため息だけが

許される。


こんな場所で

立ったまま


非常識で

信じられないほど

幸せで


あなたが

やりすぎた

と、謝るまでは


何度

波が押し寄せてきても


わたしは

唇を噛んで

けして泣かない。






先日、ジムのトレーナーに

「このトレーニングをすれば

ビキニを着て海でナンパされますよ」と

言われました。


ナンパはいらないけど

ビキニって

ちょっと魅力的。

わたしの年で日本で

ビキニの人はあまりいないしなぁ。


変わったことが好きなので

無理そうだけど

今年の夏のかなり高めな目標として

がんばろうかな、と思います。