バス通学 | ひより軒・恋愛茶漬け

バス通学

時間通りに

バスは来た。


放課後の

重い脚をひきずって

ケイコとわたしは

ステップをあがる。


がらんとした車内の奥の

1列に並んだいつもの席に


わたしが前

ケイコは後ろ


制服の右手は

つないだまま。


風を切ってすぎる

景色は

乙女のパステルピンクで


春に向かう甘い香りに

涙はいらない。


  ― もういいよ。


返事はない。


首筋に

押し当てられた額が

小さく震えているのに気づいて言う。


  _ 彼でしょ?


わたしを卒業する

ケイコを祝福して

つないだ手を静かに離す。






大人になって良かったことは

外見や言葉にかんけいなく

優しい人がきちんと

わかるようになったことだな、と思います。



最近のマイブームは、「あべま」。

昼休みにイヤフォンで

ノリノリで聞いていたら笑われてしまいました。